初の泊まりキャンプ③
たらふく飲んで食べて飲んで寝ることが大好きなきまきまです。
夜勤明けで気を失うように寝た私は、何だか不愉快な湿度で起きました。
朝6時。
9時間ほど寝てしまっていたようですが、私にはよくあることなので驚きませんでした。
何に驚いたかというと、横にいるはずの旦那がいないことです。
よく私が布団を独占するため、ぽっちゃり系旦那は床で寝たりソファで寝たりすることがありますが、ここはキャンプ場。
まさか外の椅子で寝ていないだろうと思い、外に出ましたが、椅子にもいない。
え・・・ 夜逃げ?
寝ぼけた頭にアホな考えが浮かびましたが、トイレかもしれないと思い、椅子に座って待つこととしました。
コーヒーを飲みたくなり、卓上コンロで湯を沸かしながら、海を眺めました。
海風にも負けずに、湯を沸かしているタフまるコンロを見ながら、コーヒーを一口。
嗚呼、至福。
コーヒーの香ばしくも少し甘いにおいがたまりません。
肌寒いくらいの海風に吹かれながら、喉から胃に温かみが落ちる時間はなにものにも変えがたい。
目の前の空は、夜と朝の間のアイスブルーです。
背後では、お兄ちゃんヤギが鳴いています。
出産の邪魔になるからと母ヤギから離してつながれていましたが、そういえば我々が到着してからバーベキューし、私がテントに入るまでずっと「メェー!メェー!」と鳴いていました。
今も鳴いているところを見ると、出産の応援とか子ヤギへのエールといったものではなく、単に母ヤギから離れて寂しがっていただけのようです。
ふぅ・・・
旦那、帰ってこないんですけど。
20分程、コーヒータイムを楽しんでいましたが、あまりに旦那が帰ってこないので捜索に向かいました。
あまり広くないキャンプ場ですが、端は海に入れる砂浜につながっています。
旦那は、その砂浜近くの堤防に座っていました。
見つかって安心しましたが、何だか物悲しげな背中です。
何かあったのでしょうか。
「旦那、どうしたの?」
思い切って話しかけると、旦那は海を見つめながら、言いました。
「ぜんぜん寝れなかった( ;∀;) 」
どうやら、旦那いわく、夜、雨が降ってテントの端を叩く音がうるさく、すぐ止んだと思うとテント内の湿気がすさまじく蒸し暑くなり、隣からはいよる私も暑苦しく、海音がうるさく、ヤギの声もうるさく、うとうとしては起きてを繰り返し、外に飛び出していたそうです。
きまきま「なんて軟弱な」
旦那「他人が自分と同じくらい寝れると思うなよ」
私は何なら立っていても寝れるし、横になれば10時間超は平気で寝る眠り深いマンに対し、旦那は違う環境では眠りづらかったりちょっとした物音で起きたりする眠り浅いマン。
知ってはいましたが、私は心の中で「もう旦那はキャンプ行きたくないって言い出すんじゃないかな・・・」と怖くなってきました。
私はすっかりキャンプ好きになっていたのです。
旦那は静かに言いました。
「眠れなかったけど、楽しかったし、またやろう。・・・・次は涼しいキャンプで」
我々はサイトに戻り、コーヒーを飲みました。
旦那が寝られなかった原因のひとつのお兄ちゃんヤギに会いに行くと、何故か膝をついて草を食べていました。
ヤギと遊んで、帰りに温泉に入って、帰路に着きました。
そのときの私は気づいていなかったのです。
今から暑くなるのに、どうやって涼しいキャンプをするのかということを。